posted by 鷹野 凌
「月刊群雛 (GunSu) 2014年04月号」には、田中せいやさんの新作短編小説「慣習」が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? インタビューの一部を公開します。
◆公式ブログ:「せいやんせいやん」
http://plaza.rakuten.co.jp/seiyan123/
◆Twitter :
https://twitter.com/sekiyasu1
この作品の内容を簡単に紹介して下さい
ファミレスでむかしの同僚を目にした。彼と経験した忌まわしい過去。とても口に出しては言えない。あんなことや、こんなこと。
わたしは数カ月で退社したが、彼はその後どうしたのだろう。あれから十五年。聞いてみたいような、みたくないような……。
このまま声をかけずに去ったほうがよさそうだ。と、彼がこちらに気づき、そして──
この作品を書いたきっかけを教えて下さい
転社しました。あれ、この職場、なんか変だなあ。ここをこうしたらいいんじゃないのか、あそこをああしたらいいんじゃないのか。そんな疑問をたくさん持ちました。
ここに長年いる人は、そんな疑問は持っていません。むかしは持っていたかもしれません。しかし、ここで生きていくためには、そんなものは無用です。
ここに順応することが第一です。そのためには思考停止です。そうすれば楽です。隣国の国民のように。その組織が安泰な限り、そこで生きる人も無事です。
苦しみました。朝、ベッドに背中が貼り付いてはがれず、一週間ほど休んだこともあります。でも、どうしても思考停止できません。
──というような経験から得たものを、おもしろおかしい小説にしました。ちなみにその会社は消滅しました。
この作品はどんな人に見て欲しいですか?
働く人すべて。できればまだ疑問を持っている人。
田中せいやさんの新作が掲載されている「月刊群雛 (GunSu) 2014年04月号」は、好評発売中です!